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MASTERWAL ソファの原点
2017.09.01

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2001年、MASTERWAL初のソファとなる「MORELESS SOFA (モアレス ソファ)」の登場から、2017年で16年を迎えました。 ミニマル(最小限)な美しさ、そして床で過ごす生活に寄り添う ロースタイルのデザインは、ブランドを代表するプロダクトとして 長く支持され続けています。 このモアレスを生み出したのが、現在でもMASTERWALの様々な 商品デザインに携わる家具デザイナーの伊藤浩平さん。 今回はソファに焦点をあて、デザインや制作のこだわりについて、 当時企画に携わっていた山本さんと共にお話しを伺いました。


ライター:溝口 仁美(ワード)


 




左:株式会社アカセ木工 常務取締役 山本 高康 / 右:NORTH LAND DESIGNS 伊藤 浩平

 


-伊藤さんは、MASTERWALの立ち上げ以前からデザインに携わっているそうですね。

伊藤:はい。まだアカセ木工さんが婚礼用タンスのメーカーだった1997年頃に知り合い、かれこれ20年来のお付き合いになります。



山本:当時のアカセ木工はタンスからの方向転換を図り、後のMASTERWALに繋がる商品企画を模索していた時期ですね。最初はタンスのデザインを依頼していましたが、新商品の方向性を伊藤さんも交えて確立させていきました。実は、MASTERWALの人気シリーズWILDWOODのネーミングは伊藤さんなんですよ。WILDWOODのリビングやダイニングアイテムを一緒につくってきた経緯があったので、第1号のソファを作る時もぜひ伊藤さんにお願いしようと。



伊藤:僕もソファメーカーの出身で、ソファに対しては思い入れがあって。ずっと「ソファをやりましょう」と言ってましたね。






-それが2001年に登場した「MORELESS SOFA(モアレスソファ)」ですね。デザインの特徴を教えてください。



伊藤:直線的でシンプル、背面からも無垢材の美しさが伝わるデザインに仕上げました。何より、座面の低いロースタイルを取り入れたのが特徴です。ソファって、座り心地はもちろん見た目の満足感も重要。デザイン画を描いた時に全体のバランスを見ながら、絶対低いほうがカッコイイと感じて自然とローソファに落ち着きました。名前のMORELESSには、Less is More(より少ないことは豊かなこと)という意味をこめました。



山本:当時としてはかなり斬新でしたよ。低い座面や背にデザインのあるソファ ってほとんど無かったですから。肘置きが無いのも珍しくて印象的でしたね。



伊藤:単に形として低いだけでなく、日本人に馴染みのある「床に近い暮らし方」もイメージしています。



山本:ちょうどLDKという家族団らんの空間が一般的になりはじめた時期でしたから、視界を遮らず空間に馴染む圧迫感の無さと、後ろから見ても木の質感が映える美しさは、LDKの真ん中に置いてもマッチしますよね。新しいライフスタイルまで見据えたデザインは非常に説得力があり、期待が膨らみました。名前のインパクトも含めてガツンとハマりましたね。




ウォールナットの質感が映えるモアレスソファの背面


 




「床に暮らす」をコンセプトにデザインされた ユニゾン ソファ

 


-伊藤さんはご自身もローソファ専門のショップを運営されています。ローソファにこだわる理由は?

伊藤:約30年前、ソファメーカーのデザイナーをしていた時に初めてローソファを作りました。自宅でも愛用していましたが、とても快適だったんです。



山本:日本人は床で過ごす生活に慣れてますから、床から一歩上がったぐらいの程よい低さが楽で心地良いんでしょうね。



伊藤:メーカーではいろんなソファを取り扱ってましたが、やっぱり売れていたのはローソファ。ただ、その頃は高さのあるソファが主流で、低いソファを扱うメーカーは他に無く、展示会でも反応が薄かったんです。ある時、インテリア雑誌の編集長が展示会に出したローソファを絶賛してくれて。それをきっかけに、ローソファにこだわってみようという意思が固まりました。その後、ローソファを通じて「床に暮らす」というコンセプトが生まれました。“暮らしの中の商品”であるという、僕の中でのぶれない軸が出来上がったんです。



山本:我々も伊藤さんの提案するローソファに可能性を感じ、2006年にスタートしたMASTERWALに繋がる明確なテーマになりました。ここからロースタイル家具の流れができましたね。



-その次が、2003年に登場した「UNISON SOFA(ユニゾン ソファ)」。

伊藤:ロースタイルを極めようと、ぐっと床に近い形になりました。床でくつろぐような「ごろ寝生活」をイメージしています。ソファって、寝転んだり姿勢を崩したりもしますよね。だから、座り心地よりも寝心地の良さを重視して、クッションもふんわりと沈み込むような質感を出しています。コタツを合わせてもすごく心地良いんですよ。



-暮らし方までイメージするのが、デザインをする上で大切なんですね。

伊藤:そうですね。まずはソファを含めた暮らしを思い描くことで、家具の原型が出来上がります。自分がそのソファでくつろぐシーンを想像しながら、感覚的な居心地の良さを形に落とし込みます。MASTERWALは特にそうですが、シンプルなデザインって本当に難しいんです。形だけに囚われるとどうしても限界があり、そこに暮らし方が見えないとデザインにブレが生じるんです。




UNISON SOFAの一番最初のデザイン画


 




-2004年には「DANISH SOFA(デニッシュソファ)」が登場。 ロースタイルからの変化が感じられます。

山本:ユニゾンソファを原型に、脚を付けて高さを出したのがデニッシュソファです。ロースタイルの域は超えていないんですが、もう少し高さが欲しいというお客様の声から生まれました。例えば、ご高齢の方が立ち座りしやすいサイズ感など、様々なお客様に対応できる商品展開へと広がっていきました。




-2016年の「HEAVEN SOFA(ヘヴン ソファ)」も伊藤さんのデザインですね。

伊藤:はい。海辺のテラスやリゾート地でくつろぐシーンをイメージしました。早く帰ってあのソファに座りたい、と思えるような極上の心地良さを目指し、開発に3年近くかけました。これもロースタイルから離れたコンセプトですね。




-MASTERWALのデザインをする上でのポイントは?

伊藤:無垢材の良さをいかにシンプルに表現するかと、直線へのこだわりは常にあります。シンプルに作るというよりは、無駄を省いて研ぎ澄ませていくという感覚でしょうか。



山本:製作側の視点で見ると、加工が多いと作るのに時間がかかるし、ゴミも増えるし、価格も高くなる。良質な木材を無駄なく使うためのデザイン、という点も大切にしています。




-今ではソファだけでも11種類と充実しています。今後の展開を教えてください。

山本:店舗数の拡大やお客様の層が広がったことで、ロースタイルの提案は継続しながら、さらに様々な需要に合わせた提案が必要だと感じています。



伊藤:月1回程度の打合せで次のアイデアを練りますが、長年の積み重ねがあるからこそ、お互いの考えや方向性がすぐに理解できるのが強みですね。外部デザイナーですが、20年ともなると僕もほとんど社員のようなものです(笑)。雑談からアイデアが生まれることもあります。



山本:むしろ雑談の方が多いんだけどね(笑)。今後は、ソファはもちろん新シリーズも企画中です。MASTERWALの良さを軸に、どれだけ多様なライフスタイルを展開できるかが課題です。伊藤さんも交えて、今までとは違う世界観が見せられるよう進化を続けていきたいですね。