無垢材家具のオイル仕上げとウレタン塗装|違い・選び方・お手入れ方法を徹底比較

2026/06/02 00:00

無垢材家具を選ぶときに迷いがちなのが「仕上げ方法」です。マスターウォールの家具にも採用されているオイル仕上げとウレタン塗装は、見た目や手触り、お手入れの方法、経年変化のしかたまで大きく異なります。

「どちらが自分の暮らしに合うのか」「メンテナンスはどのくらい必要なのか」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、オイル仕上げとウレタン塗装それぞれの特徴とメリット・デメリット、項目別の比較表、お手入れ方法、ライフスタイルに合わせた選び方のヒント、よくある質問までを解説します。長く愛着を持って付き合える無垢材家具を選ぶための参考にしていただければ幸いです。

1.オイル仕上げとウレタン塗装|2つの仕上げの基本知識

暮らしの中のテーブルの使用イメージ

無垢材家具の代表的な仕上げ方法には、大きく分けて「オイル仕上げ」と「ウレタン塗装」の2種類があります。まずは、それぞれの基本的な特徴を整理しておきましょう。

(1)オイル仕上げとは

植物性のオイルを木に染み込ませることで、木本来の自然な風合いや質感を活かす仕上げ方法です。表面に厚い塗膜をつくらないため、木そのもののさらりとした手触りや、木目の表情をそのまま楽しむことができます。

なお、マスターウォールのオイル仕上げのテーブルには、ワックスを配合したオイルを使用し、表面に汚れがつきにくくなるよう工夫しています。

オイル仕上げの工程

(2)ウレタン塗装とは

木の表面をウレタン樹脂の塗膜で覆う仕上げ方法です。塗膜が水分や汚れの侵入を防ぐため、日々のお手入れの手間を抑えられるのが大きな特徴です。表面はつるりとした手触りで、クリア塗装は木目が透けて見える仕上がりになり、カラー塗装は木目が見えなくなる仕上がりになります。

オイル仕上げ

オイル仕上げ

クリアウレタン塗装

クリアウレタン塗装

ブラックウレタン塗装

ブラックウレタン塗装

ウレタン塗装の工程

2.オイル仕上げのメリット・デメリット

オイル仕上げの良さと注意点を整理してみましょう。

(1)オイル仕上げのメリット

  • ・塗膜がないため、木本来のさらさらとした手触りを楽しめる
  • ・経年変化により色味や艶が深まり、使い込むほど風合いが増していく
  • ・総無垢材の天板であれば、キズやシミがついても研磨やオイル塗布で修復・再塗装がしやすい
  • ・将来的に表面の刷新ができるため、長く付き合いやすい

(2)オイル仕上げのデメリット

  • ・水分や油分が染み込みやすく、水ジミ・油ジミができることがある
  • ・オイルが抜けて乾燥するため、定期的なメンテナンスが必要
  • ・揮発性の溶剤(シンナーなど)やアルカリ電解水は使用できない
  • ・アルコールによる除菌は可能だが、頻繁な使用は表面のオイル分が抜ける一因となるため、注意が必要

3.ウレタン塗装のメリット・デメリット

ウレタン塗装の良さと注意点も同じように整理しておきます。

(1)ウレタン塗装のメリット

  • ・表面に塗膜があるため、水分や汚れが染み込みにくい
  • ・日常的に特別なメンテナンスをしなくても比較的状態を保ちやすい
  • ・カフェや飲食店、商業施設など、頻繁に水拭きをする環境でも使いやすい

(2)ウレタン塗装のデメリット

  • ・キズがつくと修復(再塗装)に手間と費用がかかる
  • ・経年劣化や摩耗によって、塗膜の剥がれが起こることがある
  • ・木そのもののさらりとした質感や、経年による風合いの深まりは感じにくい

4.【一覧】オイル仕上げとウレタン塗装の比較表

比較表 オイル仕上げ ウレタン塗装
表面の状態 塗膜なし。木の質感がそのまま伝わる ウレタン樹脂の塗膜あり
手触り・質感 さらりとした木そのものの感触 つるりとした塗膜の感触
木目の見え方 はっきりと見える 塗膜を通してやや穏やかに見える
経年変化 色味・艶が深まり、味わいが増していく 大きな変化は起こりにくい
キズへの強さ 硬いものの衝撃や引っ掻きでキズがつく 硬いものの衝撃や引っ掻きでキズがつく
水ジミ・汚れ 染み込みやすく、シミになりやすい 染み込みにくく、シミになりにくい
日々のお手入れ 乾拭き・固く絞った布での水拭き 乾拭き・水拭き
アルコール除菌 可(頻繁な使用は避け、短時間で拭き取る) 可(家庭用除菌シートで短時間の拭き取りを推奨)
揮発性溶剤(シンナー等) 不可 不可
アルカリ電解水 不可 不可
定期メンテナンス オイルの塗り直しなどが必要 基本的に不要
キズ・へこみの修理 総無垢材であれば研磨・オイル塗布・アイロンでの修復が可能 工場での再塗装が必要
向いている場面 経年変化を楽しみたい家庭での使用 お手入れの手軽さを重視する場面・業務用途

5.オイル仕上げのメンテナンス方法

オイル仕上げの家具は、日々のケアと定期的なメンテナンスを組み合わせることで、長く美しい状態を保ちやすくなります。マスターウォールでは「洗浄(プレケア)」と「オイル補充(オイルケア)」の2ステップでのお手入れを推奨しています。

オイル仕上げのメンテナンスを行なっている写真

(1)日々のお手入れ

普段は乾拭き、または固く絞ったふきんで水拭きをして、ほこりや汚れを拭き取ります。揮発性の溶剤は変色やキズの原因となるため、使用しないでください。

(2)汚れが気になるときの中性クリーナー「トレナ」によるプレケア

皮脂や調味料の油分、日常の汚れが蓄積したままオイルを塗り重ねると、汚れを内部に閉じ込めて黒ずみや濁った色味の原因となることがあります。これを防ぐため、オイル補充の前段階として、マスターウォールが推奨する木部専用中性クリーナー「トレナ」での洗浄(プレケア)を行うのがおすすめです。水で薄めたトレナ液を含ませたスポンジで木目に沿って軽く擦り、油分や汚れを浮かせて落とすイメージで使用します。

(3)1年に1回程度のオイル補充

表面のカサつきが気になってきたら、オイルを塗り込んで木に潤いを補います。1年に1回程度が目安です。

(4)5年に1回程度の本格メンテナンス

5年に1回程度を目安に、しっかりとやすりがけを行って表面の汚れを落とし、オイルとワックスオイルを塗り込みます。なお、やすりがけを行ってよいのはテーブル天板に代表される「総無垢材」の部位に限られます。後述の通り、家具の中には突板(つきいた)を使用した部位もあり、こうした箇所への自己研磨は下地の露出を招く可能性があるため、避けてください。

(5)【重要】使用済みウエスの取り扱いに関する注意

オイル仕上げに使用する植物性オイルは、空気中の酸素と反応して固まる性質(乾性油)を持ちます。この反応の際にわずかな熱が発生するため、オイルを染み込ませたウエス(布)やスポンジ、ペーパー類を丸めたまま放置すると、熱がこもって自然発火する危険性があります。

使用後のウエス類は、必ず以下のいずれかの方法で安全に処分してください。 ・水を十分に含ませて完全に濡らした状態のまま、可燃ごみとして廃棄する
・水で油分を洗い流したうえで、広げて乾燥させてから保管・廃棄する

丸めたまま、または重ねたままで放置することは絶対に避けてください。これは植物性オイルを使用するすべての家具メンテナンスに共通する重要な安全注意事項です。

(6)部位の素材確認(総無垢材 / 突板)

マスターウォールのテーブル天板は総無垢材が中心ですが、TVボードの側板やキャビネットの棚板、ベッドフレームの一部など、製品や部位によっては突板(芯材に天然木の薄いシートを貼り合わせた構造)が使われていることがあります。突板部位にやすりがけを行うと、薄い天然木層を突き破って下地が露出してしまうおそれがあり、専門業者でも修復が困難になる場合があります。
ご自宅の家具のどの部位が総無垢材で、どの部位が突板なのか分からない場合は、自己判断での研磨は行わず、製品の取扱説明書をご確認いただくか、マスターウォールのカスタマーサポートまでお問い合わせください。

(7)マスターウォールの公式サポート

マスターウォールでは、オイル仕上げの家具メンテナンスキットの販売、店頭でのメンテナンス講習会の開催、地域限定での専門スタッフによる訪問メンテナンス、自社工場での研磨・再塗装サービスなど、お客様が長く家具を使い続けるためのサポートをご用意しています。詳しくは公式サイトをご確認ください。

参考: https://www.masterwal.jp/support/maintenance

6.ウレタン塗装のお手入れ方法

ウレタン塗装は塗膜が汚れの侵入を防ぐため、お手入れの手間は比較的少ない仕上げです。

(1)日々のお手入れ

普段のお手入れは乾拭き、もしくはよく絞った布での拭き取りで十分です。

(2)汚れがひどいときの対処方法

汚れがひどい場合は、3%程度に薄めた中性洗剤液に柔らかい布を浸し、よく絞って拭き取ります。その後、水を含ませてよく絞った布で洗剤分を拭き取り、最後に乾いた布で仕上げ拭きをしてください。揮発性の溶剤は変色やキズの原因となるため、使用しないでください。

(3)アルコール除菌を行う場合の注意

ウレタン塗装はアルコール除菌に対応していますが、頻繁な使用や長時間の接触は塗膜への負担となる場合があります。家庭用除菌シートを使用して短時間で拭き取り、その後乾いた布で水分を残さないようにすることをおすすめします。スプレーの直接噴霧は避けるのが安全です。

7.ライフスタイル別|あなたに合う仕上げの選び方

「結局、自分にはどちらが合うのか」とお悩みの方のために、ライフスタイル別の選び方の目安を整理しました。

ライフスタイル別の仕上げ選びの目安

こんな方には 向いている仕上げ 理由
木そのものの質感や手触りを大切にしたい オイル仕上げ 塗膜がないため、木本来のさらりとした感触を楽しめる
経年変化を楽しみながら長く使いたい オイル仕上げ 色味や艶が深まり、年月とともに味わいが増していく
キズやシミがついても自分で手をかけて修復したい オイル仕上げ 総無垢材の天板であれば部分的な再塗装ややすりがけで対応しやすい
日々のお手入れの手間をできるだけ抑えたい ウレタン塗装 塗膜が水分や汚れの侵入を防いでくれる
小さなお子さまやペットがいて頻繁に水拭きをしたい ウレタン塗装 水ジミができにくく、気軽に拭ける
飲食店・カフェ・オフィスなど業務用途で使いたい ウレタン塗装 不特定多数が使う環境でも比較的状態を保ちやすい

どちらにも魅力があるため、家具を置く場所、使用頻度、メンテナンスにかけられる手間、好みの質感などを総合的に検討して選ぶのがおすすめです。

8.無垢材家具の仕上げに関するよくある質問

オイル仕上げとウレタン塗装について、よく寄せられる質問をまとめました。

(1)オイル仕上げのテーブルに水をこぼしてしまったらどうすればいいですか?

気づいた時点でできるだけ早く、乾いた布で水分を拭き取ってください。長時間放置すると水ジミの原因になることがあります。万が一シミになってしまった場合も、総無垢材の天板であればやすりがけとオイルの塗り直しで目立たなくできるケースがあるため、気になる場合はマスターウォールにご相談ください。

(2)ペットや小さなお子さまがいる家庭にはどちらの仕上げが向いていますか?

水分や汚れがつきやすい環境では、塗膜があるウレタン塗装のほうがお手入れの手間が少なく済む傾向があります。一方で、キズやシミも含めた経年変化を「家族の歴史」として楽しみたい方には、修復のしやすいオイル仕上げという選択肢もあります。ご家庭の優先順位に応じて選んでみてください。

(3)オイル仕上げのメンテナンスは難しいですか?

基本的な日々のお手入れは、乾拭きや固く絞った布での水拭きで十分です。年に1回程度のオイル塗布も、マスターウォール公式のメンテナンスキット(中性クリーナー「トレナ」、カルデットオイル、ビボスオイルワックス、サンドペーパー等がセットになっています)を使えばご家庭で対応できます。ただし、メンテナンスに使ったウエスはそのまま放置せず、水で十分に濡らして処分してください(自然発火を防ぐため)。マスターウォールでは店頭での講習会や訪問メンテナンスも実施しているため、初めての方でも安心して取り組んでいただけます。

(4)ウレタン塗装でも経年変化は楽しめますか?

木そのものの色味や艶の変化は、オイル仕上げと比べると控えめになる傾向があります。ただし、塗膜の下の木材も時間とともに少しずつ色味を増していくため、「ゆるやかな経年変化」を楽しむことは可能です。

(5)オイル仕上げの家具にコースターやランチョンマットは必要ですか?

熱い飲み物や水分の多い食器を直接置くと、水ジミ、輪ジミの原因になる場合があります。長く美しく使うためには、コースターやランチョンマット、テーブルランナーなどを活用することをおすすめします。

(6)オイル仕上げとウレタン塗装で価格は変わりますか?

同じデザインの家具でも、仕上げ方法によって価格が異なる場合があります。詳しい価格は、マスターウォールの店頭スタッフまたは公式サイトでご確認ください。

(7)オイル仕上げの家具にアルコール除菌スプレーを使ってもいいですか?

アルコールによる除菌は可能ですが、頻繁な使用や長時間の接触は表面のオイル分が抜ける一因となります。除菌が必要な場合は、家庭用除菌シートなどで短時間に拭き取り、その後乾いた布で水分を残さないようにするのがおすすめです。スプレーを直接噴霧して長時間放置することは避けてください。なお、揮発性の溶剤(シンナー等)やアルカリ電解水は変色やキズの原因となるため、使用は避けてください。

(8)ウレタン塗装の家具にキズがついたら自分で直せますか?

表面のごく浅いキズであれば目立たなくする方法もありますが、ウレタン塗装の本格的な修復は工場での再塗装が必要となります。また、家具の部位によっては突板が使われている箇所もあり、自己研磨は下地の露出を招くおそれがあるため、避けてください。気になるキズがある場合は、マスターウォールにご相談いただくのがおすすめです。

(9)オイルメンテナンスに使ったウエスはどう処分すればいいですか?

オイルを染み込ませたウエスを丸めたまま放置すると、酸化反応による熱がこもって自然発火する危険性があります。使用後は、水を十分に含ませて完全に濡らした状態で可燃ごみとして廃棄するか、水で油分を洗い流してから広げて乾燥させてください。これは植物性オイルを使うすべての家具メンテナンスに共通する重要な安全注意事項です。

9.「100年後のアンティーク家具へ」を実現する仕上げ選び

オイル仕上げのテーブル「ワイルドウッド」

オイル仕上げは、修復のしやすさと、使い込むほどに増していく風合いが特徴です。マスターウォールが掲げる「100年後のアンティーク家具へ」というコンセプトと、もっとも親和性が高い仕上げといえます。

マスターウォールの歴史は、オイル仕上げのテーブル「ワイルドウッド」から始まりました。70年から100年かけて育った木を使った家具を、世代を越えて長く愛着を持って使い続けていただきたい―そんな想いが込められた製品です。

一方で、メンテナンスの手軽さを重視する場合や、飲食店・公共施設・商業施設など使用頻度が高い場面では、ウレタン塗装をおすすめすることもあります。

無垢材の家具は、仕上げ方法に関わらず、長く美しく使うためには日々のメンテナンスが欠かせません。家具を置く場所や使用頻度、メンテナンスにかけられる手間、好みの質感など、さまざまな条件を踏まえながら、ご自身のライフスタイルに合う仕上げを選んでみてはいかがでしょうか。

■ この記事について

執筆・編集:マスターウォール編集部

監修:AKASE GROUP株式会社

公開日:[2023/09/23]/更新日:[2026/06/02]